この図の家系の0012と0013は0007の三重近親と0006の二重近親になる初期の近親交配家系であります。0006は、羽の色や体型が0012と0013につながるラインに非常に強く遺伝している。ということでした。
この家系の黄色で示した個体についてDNA型検査を行いました。また、0007と0006についてはサンプルがなかったことからDNA型を推定してみました。その結果、家系図の親子関係には矛盾は認められませんでした。そこで、0007のDNA型を推定するために0010のDNA型とその母の0009のDNA型と0008のDNA型から0007のDNA型を求めました。0007のDNA型は黄色のアルファベットで示しました。また、0006のDNA型は0009のDNA型から推定し、ピンクで示しました。
0012と0013の母である0010のDNA型は、父方の0007のDNA型を半分持っています。一方、母方の三代祖にも0007が入っており、0008にも0007のDNA型が半分あることや0009にもその影響が認められます。すなわち、0010の母方のDNA型についても非常に0007の影響を受けていると考えられるからです。緑色で示した数字はその可能性を示すものです。
そこで、0012と0013のDNA型をみてみるとそれぞれに黄色と緑色で示した0007のDNA型が認められ、0013はひとつ多く認められました。また、0011の家系も0007を祖先に持ち、好成績を残す個体もいたこともあり、0012と0013は父方からの影響も期待されると思います。一方、0006の影響が表現型(羽色、体型)に強く影響していると思われた個体でしたが、0006の遺伝的な特徴(飛翔性能、繁殖性能等)に関わるDNA型については0007に比べるとそれほど多く伝達されていない可能性がありました。よって、各個体のDNA型から祖先のDNA型の影響を見ることは可能であり、各個体の遺伝的な特徴を関連付けることができる可能性が考えられる。